在職中は会社が手続きし給料から天引きされていた保険・税金も、退職後は全部自分で手続きや支払いをしなければならない!「退職したから払わなくていい」なんてそのまま放っておくと、後で自分が困ることになるので要注意。ここでは、退職後自分で処理しなければならない保険・税金に関する基礎知識を紹介しよう。詳しい手続き方法については、以下の別表を参照のこと。

 
■雇用保険■

在職中に一定期間支払っていると、失業したときに失業給付を受けられる。
給付には以下のような条件がある。

1.失業中である
2.離職前の1年間に6ヵ月以上被保険者であった
3.離職票など被保険者の資格喪失が確認できる
4.公共職業安定所に「求職票」を提出している

また、失業給付開始日は失業の理由により異なり、倒産や解雇などの会社都合であれば約1ヵ月後、自己都合であれば約4ヵ月後になる。失業給付金額は、離職前6ヵ月の月例給与(残業手当は入るが賞与など臨時手当は含まず)から計算した日額を基本とする。ただし、専業主婦になる人や独立・留学をする人は失業給付を受けられない。もし、失業給付を受けている間に再就職が決まった場合は、所定給付日数が1/3または半分以上残っているなどいくつかの条件にあえば「再就職手当」が支給される。

 
■国民年金■

満20歳以上60歳未満の国民は、年金に加入する義務がある。在職中に厚生年金や共済年金に加入していた人は、退職後は国民年金に加入手続きをする。長期間手続きをしないでおくと、結局さかのぼって未払いの保険料を請求されるので早めに手続きをしよう。失業中もきちんと手続きをして国民年金に加入していれば、将来「老齢基礎年金」を受け取るときにその分も計算された金額が支払われる。育児休業中の人や大学に在学中の人、海外に在住する人などには特例制度があるので確認するとよいだろう。


■健康保険■

在職中は保険料の半額を会社が負担し、労災保険の対象ではない病気やけがの診療費が2割負担ですんでいた。退職と同時に健康保険の資格は失われ、診療費は全額自己負担となる。そうならないための方法として、1つは在職中に加入していた保険を「任意継続」するもの。保険料は在職中の2倍(在職中は会社が半額負担していたため)になるが、診療費は2割負担のままでOK。もう1つは、国民健康保険に加入する方法。保険料は住民税額に応じて計算され、診療費は3割負担となる。また、退職時点で病気やけがが治療途中の場合、「継続療養給付」の手続きを行えば、在職中の保険が適用される。ただし、あらたなけがや虫歯には適用されないので注意しよう。


 

雇用保険(失業給付)
国民年金
任意継続(保険)
国民健康保険
継続療養
窓口

居住地を管轄する公共職業安定所

居住地の市区町村の役所・役場

居住地を管轄する社会保険事務所、または在職していた会社所属の健康保険組合

居住地の市区町村の役所・役場

在職していた会社の所在地を管轄する社会保険事務所、または会社所属の健康保険組合

提出物

求職票、失業給付受給申請書(公共職業安定所にある)

国民年金被保険者資格取得種別変更・種別確認届出書(役所・役場にある)

健康保険任意継続被保険者資格取得申請書(社会保険事務所・健康保険組合にある)

国民健康保険資格取得届(役所・役場にある)

資格喪失後継続療養受給届(社会保険事務所・健康保険組合にある用紙に医師の記入・証明印をもらう)

持参物

雇用保険被保険者証、離職票、運転免許証など身分を証明できるもの、写真、銀行口座のわかるもの、印鑑(銀行口座に使用しているもの)

年金手帳、印鑑、退職日のわかるもの(離職票や被保険者資格喪失確認通知書の写しなど)

住民票、印鑑、1ヵ月または2ヵ月分の保険料

印鑑、被保険者資格喪失確認通知書の写し

 

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金額

雇用保険の失業給付の基本手当(日額)は在職中の賃金日額の約6〜8割。

一律13,300円/月(平成10年度)

通常、保険料は在職中の2倍の金額になる(在職中は会社が半額負担していたため)。

住民税額に応じて計算される。

保険料は不要。退職時点に保険で治療中のけがや病気に限り、診療費の自己負担額が在職中と同じ割合で済む。

その他

失業給付を受けられる期間は、退職日の翌日から1年間のみ。

退職日の翌日から14日以内または退職月内に届出。後日納付通知書が届く。

必ず退職日の翌日から20日以内に手続きをする。任意継続できるのは2年間のみ。

退職日の翌日から14日以内に届出。後日納付通知書が届く。

必ず退職日の翌日から10日以内に手続きをする。初診日から5年以内のけがや病気が対象。


■所得税■

収入から経費などを控除した所得にかかる税金。在職中は、社会保険料と通勤交通費(5万円以内)を差し引いた金額を対象に月々の給与から源泉徴収され、年末調整で過不足を計算し直される。ちなみに月々の税額は、生命保険料の控除などが行われていないので、一般的に実際の額よりも高く、年末調整で納めすぎた分が戻ってくる。退職した場合、12月までに再就職できれば新しい会社に退職時に受取った「源泉徴収票」を提出し、年末調整をしてもらえる。もしも年内に再就職できなかった場合は、自分で確定申告をする必要がある。

その他の収入に関して、雇用保険の失業給付には所得税はかからない。また、退職金は所得税の対象になるが、勤続2年未満は80万円まで非課税、勤続2年以上20年未満なら勤続1年当たり40万円まで非課税になる。


■住民税■

自分が住んでいる都道府県や市区町村に支払う税金。前年の所得から計算された金額を6月から翌年5月までに支払う。退職時までに一括または月々分割して給料から天引きされていた住民税は、昨年度分。6月1日までに再就職すれば、今年度分は新しい会社で給与から天引きされるが、失業中の場合は、昨年の所得税に応じて計算された今年度分の納税通知書が届くので自分で支払う。分割払いも可能。


●保険関係●別表/税金関係の手続方法 

所得税(確定申告)
住民税
窓口

居住地を管轄する税務署

退職する会社

提出物

確定申告書(税務署にある。2/16〜3/16に提出)

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持参物

源泉徴収票、保険料控除証明書(生命保険・損害保険に加入している場合)、銀行口座のわかるもの、印鑑(銀行口座に使用しているもの)

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金額

12月以前に退職した人は、通常納めすぎた税金が戻る(年末調整をしていないため)。

退職日が1〜4月の場合は、今年度の残額を一括徴収される。その他の時期は分納可。

その他

10万円以上の医療費を支払った人は、医療費控除の手続きをすると税金が安くなる。

退職時に一括納入しなかった分や次年度の分は、後日納付通知書が届く。